禁煙サポート

毎年5月31日は世界禁煙デーです。2006年からは禁煙治療に健康保険が適用されるようになりました。タバコは自分だけでなく、周りの人たちにも悪影響をおよぼします。この機会にご自身のためだけではなく、ご家族のためにも禁煙して健康なからだを取り戻しましょう! 一定の条件を満たせば健康保険で治療が受けられます。

吸いすぎには黄色信号がともる

肺まっ黒度CHECK!

以下の設問に対して回答し、「YES」の数の合計で判断します。

  1. 1日に20本以上たばこを吸う
  2. 吸っているたばこは、ニコチンの強いたばこだ
  3. 肺の奥まで深く吸いこむ
  4. かぜをひいてもたばこをやめない
  5. 黒っぽいタンがでる
  6. 街の喫煙所でもたばこを吸うことがある
  7. たばこを吸いはじめて10年以上たつ
  8. たばこは根元近くまで吸う
  9. お酒を飲むとつい吸いすぎてしまう
  10. たばこを吸ったとき、胃がむかつくことがある
0個〜3個 ポイントが低いからといっても、発がん性物質であるたばこを吸っている以上、安心はできません。ここは思い切って禁煙を。今のあなたなら、そうむずかしくないはずです。すぐに禁煙ができない場合は、ビタミン類を多めにとるようにして、発がん性物質の働きを抑えるよう努力してください。
4個〜7個 1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けたものを「禁煙係数」といいます。この禁煙係数が600以上の人は、タンやせきが出やすいばかりでなく、がんの危険も高くなるといわれています。また、このほかに、お酒を飲むと本数が増えるといったことも、がんの危険性を増大させます。思い切って禁煙するか、1日の喫煙本数を10本以下にすることが必要です。
8個〜10個 はっきり言って、がんの危険域。そして、もし1日の喫煙本数が30本以上で喫煙年数が20年を超えていたら、がんにかかる危険性は、吸わない人より喉頭がんが32倍、肺がんが5.5倍です。このままの生活を続けていくと、いつかがんに…。手遅れにならないよう早めにがん検診を。

禁煙をした日から病気になるリスクはどんどん低くなる

たばこは、ニコチンやタールなどの有害物質が多く含まれており、がんをはじめ、さまざまな病気の危険因子になります。とくに、肺がんで死亡する危険度はグンと高くなります。このほか慢性気管支炎や動脈硬化、歯周病など、たばこの害は全身におよびます。その害は、喫煙期間が長いほど喫煙本数が多いほど高くなることがわかっています。

しかし、これまでたばこを吸っていた人でも、禁煙をすれば病気になる危険度はどんどん減っていきます。禁煙して5〜6年も経つと、たばこを吸わない人に近いカラダの状態になるといわれています。また、15年禁煙をすれば、がんの発生率もたばこを吸わない人と同じくらいになります。今からでも遅いことはないのです。

たばこが関係する病気

イラスト
  • 脳血管疾患
  • 口腔がん、歯周病
  • 咽頭がん
  • 食道がん
  • 虚血性心疾患
  • 肺がん
  • 肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 動脈硬化
  • 胃がん、胃潰瘍
  • 膀胱がん
  • 腎盂がん
  • 尿管がん
  • 流産、早産などの妊娠に関する異常

受動喫煙で家族にも害が…

たばこを吸っていない人も、喫煙者の煙を吸い込む(受動喫煙)ことで病気になるリスクが高まります。たばこから直接吸い込む煙よりも、たばこから立ち上る煙のほうが50倍もの発がん性物質が含まれています。

禁煙のコツ

たばこを吸いたくなったときは、たばこから意識をそらすような行動をしてみましょう。

  1. たばこを吸いたくなったら、①深呼吸をする、②水を飲む、③ノンシュガーのあめやガムを食べる、④カラダを動かして気分転換をする
  2. 禁煙仲間をつくってお互い励ましあったり、家族に応援してもらったりする。インターネットをつかって禁煙の助言を受ける
  3. お酒を飲むとたばこも吸いたくなるので、しばらくお酒を飲む場所には行かないようにする

禁煙外来

最近よく耳にする「禁煙外来」ってナニ?

多くの喫煙者がたばこをやめられない理由は、ニコチン依存症という依存が大きく影響しています。禁煙外来はこの病気を治療し、その後も禁煙をサポートする専門外来。最近では、認知度も上がってきて、禁煙外来に駆け込む人たちも増えてきているようです。

標準的な禁煙治療(約3か月)の流れ

初診
  • ニコチン依存度のチェック
  • 喫煙状況、禁煙への意思確認など
  • 呼気検査と結果説明
  • 禁煙開始日の決定、禁煙宣言書に患者と医師が署名
  • 禁煙にあたっての問題点の把握と医師からのアドバイス
  • 禁煙補助薬の選択と説明
再診(2週間後)
  • 喫煙、禁煙状況や離脱症状に関する問診
  • 呼気検査と結果説明
  • 禁煙継続にあたっての問題点の把握と医師からのアドバイス
  • 禁煙補助薬の処方(使用状況・効果・副作用等の確認含む)

以後、2週間後に再診1回、4週間ごとに再診2回、計5回の診療で「卒煙」する流れです。

健康保険での禁煙治療は、一定の基準を満たした医療機関で受けることが可能です。日本禁煙学会では、ホームページで全国の「禁煙治療に保険が使える医療機関」の情報を公開していますので、ぜひご参照ください。

治療方法は、医療機関や患者の状況により異なる場合がありますので、事前によく確認のうえ、自分に合った医療機関を選ぶようにしましょう。

保険適用には条件が

健康保険で禁煙治療を受けるためには、次の4つの条件を満たす外来患者であることが必要です(入院患者は対象外です)。

  1. ニコチン依存症スクリーニングテスト()が5点以上であること。

    テスト項目はインターネットで「ニコチン依存度スクリーニングテスト」と検索すると調べられます。

  2. 1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上であること。
  3. 患者自らが禁煙を希望していること。
  4. 禁煙治療を受けることに文書で同意すること。

また、健康保険を使った禁煙治療にかかる費用(自己負担分3割として)は、処方される薬にもよりますが、約3か月で12,000円から19,000円といわれています。

禁煙治療薬の費用(例)
ニコチンパッチ
(貼り薬)
皮膚からニコチンを少しずつ吸収させ、徐々に弱いパッチに貼り替えていき、8週間後には禁煙できるようにする薬。
8週間(標準)投与の場合
費用総額約4万円/自己負担(3割の場合)約12,000円
バレニクリン 日本初の経口禁煙補助薬。商品名は、チャンピックスといい、タバコを吸いたいという気持ちを抑えたり、禁煙によるニコチンの離脱症状を軽減します。また、チャンピックス錠を服用中に喫煙すると、タバコから得られる満足感が抑制されます。
12週間(標準)投与の場合
費用総額約6万円/自己負担(3割の場合)約18,000円

禁煙治療にあたっては、専門医とよく相談し、納得して治療を開始しましょう。